Amazon Unlimited で読めるのが超オトク!傲慢で嫌われ者の王女に中途転生してしまった翠がヒロイン。物語の前半はちょっと悲しいし、ヒーローにムカっとします。本作、コミカライズ化もしています。
- 猫を助けて異世界に中途転生
- ヒーローに取り次ぐ暇もなく嫌われるヒロイン
- 自分の幸せを手に入れようと問題と向き合い自分の居場所を作る
あらすじ
ケガをした黒猫を助けた翠は、事故で亡くなってしまう。助けた黒猫の異世界管理人ギイによって、王女のエスメラルダに人生の途中から転生させられる。エスメラルダは嫌われ者の高慢ちきで使用人たちも怯えている始末。たまたま合った器が病気で亡くなったエスメラルダしかおらず、ギイもこのような人物だったとは知らなかった。エスメラルダとなった翠は婚約者である国王シリルの存在を知り期待に胸を躍らせますが、そのシリルにも毛嫌いされて落ち込みます。そこでギイは猫に変身できる能力を与え、このような環境であっても幸せになるために前向きに頑張るよう翠を励まし、そのときまで力になることを約束します。
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登場人物
エスメラルダ(翠)
エスメラルダに途中から異世界転生した。幸せになるためにギイの協力を得ながら、これまでの”エスメラルダ”ではない本当の自分を見てもらうために前向きにがんばる。
シリル
過去のエスメラルダの傲慢な態度や動物に対する非常な扱いから毛嫌いしている。政略結婚だと割り切っており、世継ぎさえできればエスメラルダは不要だと考えているが。
ギイ
翠に助けられた黒猫。本来の姿は人型で、緑の世界とエスメラルダのいる世界の管理者。翠に助けられたことに感謝していて、同時に自分と出会ってしまったために大家さんに家を追い出されてしまった挙句に事故で命を落としてしまった翠のことを悔やんでいる。
もこもこの所感
確かに”エスメラルダ”はとても性格が悪かったのかもしれないけれど、だからといって再会直後からエスメラルダを見ようともせず知ろうともせず、シリルに暴言を吐かれたシーンにやるせない気持ちになりました。マイナスの状況からどうやって向き合っていくのだろうか?というワクワク感もありました。
感想(ネタバレ含)
最初から「政略結婚だから子ども産んで、あとは北の城に行け」といわれたら心折れるよね……という胸が苦しくなるような始まり。翠はとても素直で優しい子で、猫を助けアパート追い出されて、命を落として。それなのに、命を落とした自分を”転生”させることで助けてくれたギイに感謝をしています。そして素直に受け取って、この世界で生きると決めたのに……。
メイドに怯えられていることに驚きつつも、まさかそんなに嫌われているなんて思わないじゃない。腫物扱いされつつも、婚約者の存在を知り夢を見る。そんな可愛らしいヒロインなのに、お出迎えもなし。食事を共にすることもない。初対面で暴言を吐かれるとか、どれだけエスメラルダは傲慢だったのでしょう。
落ち込んでふさぎ込んだりもしたけれど、翠は八つ当たりしたり嘆いたりはせず、ショックを受けつつも受け止めようとするところが健気だなぁと思います。自分でしたことのない行いを反省して、そして変わったことを伝えていかなきゃならないって酷いよね。
でも、だからこそこの世界での生き方が見え、できた人間関係(メイドのヒルダ)もあるのかもしれないですね。
ストーリーは翠の半径5m以内の話ですすんでいき、翠の周囲にいる人々の変化が丁寧に書かれています。