クスっと笑ってしまうようなストーリーがありつつ進むのですが、ヒーローのサディアスのヘタレっぷりにヤキモキしたり、じれったさを感じたりしました。ティーンズラブ『墓守公爵と契約花嫁 ご先祖様、寝室は立ち入り厳禁です!』(日車メレ)について紹介します!以下、ネタバレも含まれますので、まだ読み出ない方は下記のあらすじを参考にしてくださいね。
- 呪いのため男性と付き合えないミリアム
- 貧乏令嬢 × 公爵
- エロいご先祖さまたち
あらすじ
男性が近づくと”呪い”で不可解なことが起こるミリアム。家庭教師をしていたミリアムは、雇い主の旦那様から愛人にならないかと迫られる。断ったにもかかわらず強引に迫る旦那様に”不可解”な事故が起こる。高級な壺が割れてしまったことは当月分の給料から天引き、奥様から解雇を言い渡される。ミリアムは壺を割っていないし、愛人になるように迫ったのは旦那様。
今後どうしようかと途方にくれていたときに、偶然墓守侯爵のお屋敷で妹君の家庭教師をすることになる。そこで出会った公爵サディアスに突然プロポーズをされる。サディアスを怪しく思うが、その代わりに提示された支度金に惹かれ了承する。
それから”花嫁修業”を始めることになるが、その花嫁修業というのがみだらなものであった。
もこもこの所感
サディアスのヘタレ具合にもイラっとしますが、ミリアムの配慮が足りない所とか察してあげない所にも少しイライラするくらいじれったいです。出会いなんか関係なくミリアムもサディアスのことを好きなくせに先にすすまないところがもどかしくて面白かったです。
感想(ネタバレ含)
なんでクビにされなければならないの?
ミリアムが家庭教師としてサディアスの元に行く経緯、分かってはいるけれどミリアムが誘惑したわけでもなく、むしろ襲われたのにミリアムのせいにされて追い出されて…って理不尽だなぁと感じる。浮気をしようとしたのは、伯爵だしそのくらい奥方だってわかるだろうに、紹介状もなしに突き放すってなぁ…。とちょっとくらい気持ちになった。
でもその解雇があって、サディアスの元へいくことがきたのだから結果としてもよかったのだと思う。
にしても、少女のようなイヴィットとミリアムがであってからしばらくイヴィットが出てこないので、おかしいなぁ、、どこで出てくるんだろうなぁとおもったら本当に最後の最後にでてくるとは…。
おせっかいなご先祖様
サディアスの屋敷には何代にもさかのぼってご先祖様がいますが、サディアスのご両親はしっかりしているのに、なんでお爺さんってこんなにエロじじぃなんだろうってくらいエロじじぃ。そこが面白いところなんですが、孫の情事をのぞき見したり、お嫁さんの着替えをのぞいたりって子供のいたずらのようでかわいいと思う?でも実際にいたら、超絶気持ち悪っ!
サディアスとミリアムのシーンで、”見られている”というのがドキドキっとするはずなのに、それがサディアスの親族の霊だと思うとなんだか引いてしまう。自分の身内もそうだけれど、相手の身内の方に見られているというのはあまり面白くないと感じるけれど、みんなはどうでしょ?
というのは、実際に私の知人のおたくの息子と嫁さんに嫉妬して、毎晩寝室を覗いていた舅を知っているので、なんだかそこは純粋に楽しめませんでした。
でもおじさんのキャラは好きですよw
花嫁の儀式……
花嫁修業でサディアスの子種を飲む。
……
いや、ないだろうという設定ですが、ここで青くなりつつも「まずはやってみないことにはわからない。」と受け入れるミリアムすごい!!と感動。
こういう思いっきりがいい所がミリアムのかわいい所だよね。
小さいころにミリアムとサディアスがであっているのに、ミリアムはそのことを覚えていなくて、サディアスがその初恋をずっとずっと秘めたままでいたこと、そしてミリアムを見つけて自分を好きになってもらおうとがんばるところがいとおしくてかわいい。
読みながら、ミリアム早く思い出してと思うし、サディアスも早く言えばいいのに…とヤキモキ。
なんで、お爺さんは覗くくせにミリアムに教えてあげないんだろう。
呪いじゃないのに……
サディアスが一目ぼれしたことも、ミリアムを守るようにとしたことなのに、ミリアムに呪いと言われて糾弾される姿はちょっといたたまれなかった。
呪いみたいなものだというけれど、そもそもそれはミリアムが襲われそうになったからで、もしサディアスの加護がなかったら、ミリアムの貞操はなくなっていたし、回されていたかもしれない。
変な噂が流れてしまったのは可哀そうだと思うけれど、そこを責めるのは違うんじゃないかな。