いつでもどこでも誰よりも愛されたい。そんな女子向け『帥閣下の溺愛マリアージュ~薔薇は異国で愛を知る~』(くるひなた)について紹介します!
- 和平のための政略結婚
- 異国の令嬢 × 王弟の元帥
- 一途なヒーロー
あらすじ
アステリア帝国とエストリア王国の和平のため結婚することになったマリアンヌ。顔を見たことがないアステリア帝国の王弟ナヴェルに嫁ぐが、挙式で彼の顔をみたときにエストリア王国女王の即位式で会ったことがあるのを思い出す。誓いのキスでいつまでもしつづけるくらい、ナヴェルはマリアンヌにメロメロ。マリアンヌは沢山愛され、マリアンヌもナヴェルのことを愛していて故郷を懐かしく思うこともあるけれど順調に愛を育んでいた。
ある日、マリアンヌの部屋に「カエレ」と書かれたメモが入れられていた。そしてナヴェルの従兄ルドルから酷い侮蔑の言葉をかけられたり、異国人であるマリアンヌのことをよく思っていない人を目にするようになる。
もこもこの所感
秘密を打ち明けられずイジイジしている王女がとても可愛らしくもどかしい。王子が昼の姿の自分に嫉妬する様子、本当の自分を見てほしいという気持ち、ピュアな恋愛ストーリーです。
感想
はじめて顔を合わせたときから好印象
エスペラント王国からアステリア帝国へ嫁いだマリアンヌは挙式ではじめて旦那さまとなるナヴェルと顔を合わせる。近いのキスのときにナヴェルの顔をみて、幼いころにエスペラント王国女王マチルダの即位式で会ったことがある相手だと思い出す。
しょっぱなから夢見るような出会いでデロンデロンなのですが、だから逆に穏やかで優しい顔の裏に何かあるのではないか?と勘ぐってしまったのは物語の読みすぎでしょうか。ナヴェルは本当に非がない好青年。マリアンヌが16歳、ナヴェルが26歳と10歳ほど年が離れていますが、許容範囲内ですよね。
ところで、急な婚姻でもないのに絵姿もみないのかな?という疑問は感じたりもしました。絵姿見たところで、相手を変えられるわけでもないし、絵が実物と違かったらショックですよね。
挙式中にあなたたちは何をしているの?
挙式中に、マリアンヌはエスペラント王国女王の即位式で会ったことがあると気がついてその場で声かけて自分たち二人の世界に入る。どれだけお互いにメロメロなんだ!恥ずかしっ!!
近いのキスでちゅっちゅいつまでもしているなんてなんて破廉恥なっ!初めてあった(正確には2回目)はずなのに、自然に2人の世界にはいれるなんて運命っていいたkなりますよね。実際にこんな人をみかけたらツッコミたくなるけれど、そんな運命の結婚って憧れます。
近しい人材は好意的なものが多い
旦那様ナヴェル、マリアンヌの侍女ケチャ、皇帝ラフェエル、姪ティータもみんなマリアンヌのことを好意的に思っていて味方です。マリアンヌの祖国エスペラント王国と、ナヴェルのアステリア王国は長く戦争をしていた時期がありお互いに良い印象を持っていない人は少なくありません。しかし、マリアンヌの周りは温かい人に囲まれていて、忘れてしまいそうですが、物語の所々で批判的な声をききます。批判的な声がところどころはいることで、ナヴェルやティータといった家族は平和を願ってエスペラント王国と友好を築こうとしているというのが浮かび上がります。
庭師ヨゼフは何がしたい?
庭師ヨゼフは戦争に出兵していたこともあり、エスペラント王国を良く思っていません。エスペラント人を良くは思っていないけれど、マリアンヌに対してなにか危害を加えようとは思っていない。頭ではわかっているけれど気持ちがついていかない……というところ。
マリアンヌに「カエレ」と紙を置いた人はヨゼフなのか。ヨゼフはエスペラント人を良く思っていないが危害を加えようとはしないけれど、そうではない人もいるから立ち去ったほうがいいという優しさなのかもしれません。
平和を願うロザンヌさま
エンペラント人に対してどのように接していいのか。戸惑っている人を代表しているのがロザンヌ。戦争をしっているがゆえに、簡単に受け入れられないし、戦争を知らない世代にはそのわだかまりがあまりないということにももどかしい思いを持っています。
自分の気持ちはどうすることもできないけれど、それでも平和を願っていてマリアンヌがアステリア王国で幸せに暮らすことがその象徴になるのだからそうあってほしいという期待が感じられます。
批判的な意見も受入れ前に進む
カエレの紙も、ルドル・ハリヴァラ侯爵の侮蔑も決して反論や否定的なこと言わずに受け止める姿にマリアンヌの強さが表れています。言い返したくなりますが、国との関係や背景を考えるとそれはベストな方法ではない。マリアンヌが一番よくわかっているのかな。として、どうしてそのような環境にナヴェルはマリアンヌを連れてきたのか。連れてきたのならもっと何かしてあげられないのかな……なんて思ったりします。
4歳のティータがマリアンヌを庇い、ルドルをやりこむところがまた面白いです。
そういうことがありながらも、ナヴェルやケチャに何も言わないところもスッキリしていて好感度アップ。カエレという紙を持っているのはマリアンヌの覚悟なのかなぁ…。
理屈じゃなくて避妊は必要?
マリアンヌは偶然ナヴェルが避妊薬を飲んでいること、避妊薬の効果をあげるためにはマリアンヌも飲んだ方がいいけれど、ナヴェルはマリアンヌの負担にならないように飲ませたくないとおもっていることを聞いてしまいます。
相手に何も言わず避妊薬を飲んでいて、それも”子ども”ができることを望んでいてそういう行為をしていると思っているマリアンヌにとっては裏切られたとおもうような仕打ちだと思います。
先帝であるナヴェルの父親はクーデターでその地位につきました。先先帝は先帝の兄、ナヴェルからみると伯父にあたります。男の子どもがいなかったため、ナヴェルの父が後継者として教育をうけ、そのつもりで政治をおこなってきたのですが立太子は行っていませんでした。のちに、先先帝に息子(ルドル)が生まれたときに、約束(既に決まっていたのに)を反故にし、勝手に息子を後継ぎとして指名したことから後継者争いが起きます。それらの経緯もあり、ナヴェル自身は後継者から外れていますが、もし自分に子どもができたら、ティーダに次ぐ2番目の後継者になります。ティータは女性なので女性が皇帝につくことを良く思わない派閥もあり、ティータを廃するためにナヴェルの子どもを擁立しようとする勢力があらわれるでしょう。政争に巻き込まれたくないナヴェルは、ティータの立太子が無事に済んでから子どもが欲しいと考えていたからでした。
ティータとも仲良くなって、ティータは妹であると同時に娘のような感覚になっていると思うんですね。直前に、ティータに「ねえさまの子供ができたら、ねえさまと呼ばれたい。」という話をしていて、この流れだと冷静になれないですよね。
いくら 男>女 というところがあったとしても、ナヴェルが皇族であったとしても、子どものことは夫婦のことで相手に黙って避妊するというのは最低だなと。黙ってというよりは 隠している 嘘ついている のが正しいですよね。
結婚して6年も子どもできなければ、マリアンヌが自分に問題があるのではないかと考えたりしますよね。今は新婚だからいいかもしれないけれど、いずれストレスになることは目に見えてわかります。
それに。
世継ぎがティータしかいないというのも、本来あまりよくないことでは。ティータにもし何かあったときに後を継げるものがいません。
お前(ナヴェル)が頑張れ
「逃がしませんよ、マリアンナ。あなたが、おっしゃったのでしょう?」
元帥閣下の溺愛マリアージュ(くるひなた)
「え……?」
「二度と私の愛情を疑わぬよう、たっぷり愛してほしい、と」
ナヴェル、お前が頑張れとツッコミたくなりました。愛を疑う疑わないではなくて、自分に都合の悪いことをマリアンヌに隠していたわけですし。マリアンヌの優しさにつけこんでいるようにもとれるなと、ちょっと都合のよさを感じました。
もちろん政争に巻き込まれたくないという気持ちも分からないわけじゃないし、マリアンヌが言うように6年後に結婚しろよと思うのです。マリアンヌはエスペラント王国でも上位貴族なので縁談は沢山くることは予想できるし、年回り的にも王妃になっておかしくない。だから、どうしても確実にナヴェルはマリアンヌを手にいれたかったわけですよね。
だとしたらその代償も必要なのではないかと思うのです。自分の都合で娶ったのに自分の都合で今は子どもいりませんって男としてどうなのよ……。
ラファルもっと言ってやれ
ラフェルはナヴェルと剣を交え、ラフェルとティータのことを気にせず子どもをつくっていいのだということを話します。
お兄ちゃん心広いしカッコいい!!
夜の話をしたりと軽口をたたきあう二人は本当に仲がいいんだなとホッコリします。
が、それでも6年は子どもいらないと我を通すナヴェルも面倒くさい男だなぁ……と。それだけ、跡目争いで嫌な思いをしたのでしょうね(他人事)
リクは子どもみたいなもの
はじめてであった時も、第六感で”違和感”を感じたのかなと思います。リクが初めてあったときは、兄に追い掛け回されてけがをしていた。次にあったとき、リクはボコボコにされて池に落とされて死にかけていた。
気丈にふるまっていてもどこか異国の地にアウェイ感があって独りぼっち、そこにリクを重ねてみていたのかなと。マリアンヌは自分ができることをやろうと前向き。
だからリクもマリアンヌのことを好きになるし大切にしようと思うよね。